前向きに

 「新型コロナウイルス」という言葉を聞かない日は無いほどに、深刻な問題となっている感染症。幼稚園で働くことで、様々な業種の方の苦悩や我が子を守る保護者さんの思いを感じ、この感染症の存在によって、たくさんの方達が何かしらのストレスを抱えていると感じる。私自身も見通しの持てない毎日や会いたい人達に会えない寂しさ、そして、この病気に自分自身や大切な人達が感染する可能性がある恐怖を感じながら過ごしている。

 この感染症は世界各国の問題として、日々メディアを通して知らされ、世界規模で悩まされている現実に『大変なのは私だけじゃない』と実感する。しかし、時には『この感染症のせいで私は何でこんなに振り回されるのだろう』と感じる日々もあり、暗い気持ちになってしまう事がある。

 そんな事を感じる日々の中で、子ども達に「ねこのピート だいすきなしろいくつ」という絵本を読んだ。この絵本は歌や掛け合いもあり、明るい内容となっているので子ども達も気に入り、よくリクエストされていた。

 物語は、ピートという猫が大好きな白い靴を履いて歩いていくうちに、様々なアクシデントがあり、靴の色が変わってしまうという内容だ。その度に、ピートは泣くこともなく「いいかも!」と言い、色が変わってしまった靴を「かなりさいこう!」と歌う。

 絵本の最後ではピートの考えが書かれてあり「なにがあっても うたをうたって まえにすすむってこと そうそれがだいじ!きょうもかなりさいこう!」と言い、話を締めくくっている。

 何度も読んでいる絵本だが改めてこの絵本と向き合い、思えば私は、毎日を最高だと感じることもなく、ネガティブなことばかり考えている日が多いのではないかと気づかされた。ピートのようにどんなことがあっても、「きょうもかなりさいこう!」と考えられれば、このような世の中でも日々が生きやすく思えるのではないかと感じ、ピートの前向きさに心が少しだけ救われるような気がした。

 不安が続く毎日だが、幼稚園に来ると元気いっぱいの子ども達と会える。そんな子ども達に恥じないように、「きょうもかなりさいこう!」と言って過ごしていきたい。

 

M.K

 

出典

「ねこのピート だいすきなしろいくつ」

著書/編集

エリック・リトウィン/ジェームス・ディーン

発行元 ひさかたチャイルド