楽しい思い出は宝物

 今年の6月、故郷に住む同級生から久しぶりにメールが来た。

 

「同窓会を予定してるけど来れそうかな⁇」

 

 昨今の感染症の心配もあり、なかなか返事ができずにいたが、職場に相談すると、「せっかくだから行っておいで」と快諾してもらい感謝。

 

 家族も「久しぶりたから行って来て!」と勧めてくれ、「参加」の返信ハガキを投函した。

 

 同窓会は、卒業した小学校の9月の運動会の日。

 

 午前中は、“餅投げ”のプログラムで、運動会に参加させてもらい、サプライズで、ずっと会いたかった小学2年生の時の担任のK先生も来られ、懐かしい話に花が咲いた。

 

 午後からの同窓会。

 

開口一番、K先生は、「いつか、みんなに会ったら謝りたかった。本当にごめんなさい。」と話された。

 

 2年生の一年間は、若くて格好いいK先生との楽しい思い出がたくさんあったので、全員、キョトンとなった。

 

 「あの頃の自分は、大学を卒業したてで、やる気だけで突っ走っていた。2年生だった君たちに、もっと、もっと、してあげれたことがあったのでは、とずっと悔やんでいた…」と。

 

 私たちの楽しかった思い出は、K先生にとってはずっと悔やまれていた一年だったようだ。思わず「先生、違います!私たちは、とても楽しかったし、たくさんのことを教えてもらったから、謝らないで下さい」とみんなで話すと、「そう言ってもらって、少し安心したよ」と涙された。

 

 当時、楽しく掛け算を覚えられるように、一段覚えたら当時流行ったアニメのシールを貼ってくれ、毎日書く「生活ノート」 を丁寧に書くと、大きな花丸をつけて、高い高いをしてくれた。また国語の教科書の詩を暗記するとたくさん褒めてくださった。

 

 苦手な勉強のやる気を引き出すために、たくさんの「楽しい!」を教えてくれたK先生。怒られたこともたくさんあったけれど、当時のことを思い出すと、今でもワクワクするのは、本当にその一年が「楽しい‼︎」でいっぱいの大切な宝物になっていたからだ。

 

 

 K先生と思い出話をする中で、白梅幼稚園の先生たちのことが思い浮かんだ。

 

 日々、子どもの「楽しい!」を引き出し、それを育ってほしい姿へ導くことは、とても大変なこと。

 

そんな「教育のプロ」である白梅の先生たち。

 

子どもと一緒になって活動し、考え、話し合って、子どもたちの毎日が、楽しく安心して過ごせるように、取り組んでいる。

 

 そんな先生たちの縁の下の力持ちのような存在になることが、私の日々の目標の一つである。

 

 前述のK先生。

 

「僕は定年退職してから、釣りに行ったり、スポーツカーでドライブしたり、家庭菜園で大根を育てたり、毎日、自分の「楽しい!」を満喫しているよ❗️皆も元気で過ごさんば!」と話してくださった。

 

 今回の同窓会、私の「楽しい思い出」が、また一つ増えた。

 

 白梅幼稚園の子どもたちが、ずっと先になって思い出した時、たくさんの「楽しい思い出」はきっと「宝物」になっているだろう。

 

T.Y