子どもと歩む

今年は特別予定もなく自宅でまったりと家族の時間を過ごした年末年始。

仕事と家庭の毎日で、テレビを観ることがほとんどない我が家で、恒例の歌番組や特番など、大活躍のテレビであった。

 

そんな中で印象に残ったのが、関東にある大学病院の救急救命センターの特集。

老若男女問わず、日常に降って湧いた突発的な異変に、戸惑い、落胆し、憔悴する患者と家族。

そして原因を探り先進医療をテキパキと施す医療チーム。

その両側面からのドキュメント。

 

容態によっては、最悪の結果になったり、苦痛で罵声を浴びせたりする患者さん、それに対して医療従事者は、感情はあまり表に出さず平常心で淡々と個々に向き合う様子が映し出され印象的であった。

でも、ひとたびスタッフルームに退くと、「良かった」「悔しい」「どうすれば」等感情をあらわにした葛藤を垣間見ることができた。

 

私は、いつしか医療従事者側に感情移入して画面にくぎ付けになっていた。

臨終を伝える時、自ら命を絶とうとしている人を助けた時、それぞれに辛い思いをしながらも、劇的に病状が改善して回復を遂げた患者を見送った笑顔「これがあるからこの仕事を続けられる」この言葉に涙が出た。

 

私達の仕事は、日々の積み重ね。

何でもない日常を過ごしていく中で、人や建物、自然物などと関わり経験を積む。

この成果は卒園という結果で達成する物ではなく、いつ芽吹くかどのような種類の植物か、花なのか木なのかも判らないまま種を蒔く。

そして、どのような種類の肥料をあげたら有効かも解らずに日々試行錯誤して、添え木をしたり、水をまいたりする。

正解も間違いもないから、時々とても不安になる。

 

子ども達の心身の発達や健康を信じ、子ども達の目の輝きだけを考えて計画したことを大人の感情で否定されるとき、心が折れそうになる。

 

私達の「これがあるからこの仕事を続けられる」は何だろう。

子ども達の笑顔。

子ども達が「こんなことしたい」と思ってくれる環境。

私達が成長したなと思えることを家族と共に喜び合うこと。

子ども達のやりたい!を形にしようとしたとき、保障してくれる上司や仲間。

そしてそれを、認めて後押してくれる家族。

 

これから茨の道を歩いていく子ども達が、楽しい記憶しかない幼稚園を過ごすならば。

肯定感や自尊心を持ち、多様化する社会を生き抜くために、守られながら安心して過ごせる場所が幼稚園ならば。子ども達に関わる全ての方たちと泣いて笑って成長を感じ合える人間関係が、全体と結べる幼稚園ならば。

 

と、今後の目標も見えてきたお正月を過ごした。

 

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